夜尿症(おねしょ)について

夜尿症(おねしょ)について

 夜尿とは夜間睡眠中に無意識に排尿することをいいます。誕生時には全ての人間が夜尿をしますが徐々に自然消失していきます。幼児の排尿機構は5歳前後に完成し、また睡眠機構も5歳前後に昼寝をしなくなり単層性に移行します。このため、5歳以降に持続する夜尿を病的と考え、夜尿症といいます。頻度としては月1回以上の夜尿を病的とすると5−9歳までの夜尿症の頻度は11%、10−12歳で4%との報告もあり、また夜尿症は自然に消失することが多いため(毎年約15%)年齢の上昇とともに頻度は減少します(自然治癒の平均年齢は7.3歳)。ただ自然消失せずに持続する夜尿症患者が存在するのも事実であり、20歳の時点で3%、あるいは18−64歳の0.5%という報告もあります。

夜尿症の原因としては多くの説があります。

  1. 膀胱容量
     昼間の膀胱容量は夜尿のあるなしにかかわらず差はないのですが、夜尿のない子は夜間も昼間と同じ膀胱容量を保持しているのに、夜尿症の子は明らかに昼間より少ない量しかたまっていない時点で夜尿をしてしまうようです。
  2. 夜間多尿
     夜間は一般には抗利尿ホルモンという尿の作成を抑えるホルモンが分泌されるのですが、夜尿症の子にはこの分泌が少なく夜間に尿の産成量が抑えられず夜間に多尿になることがあるようです。
  3. 睡眠・覚醒の異常
     膀胱に尿が充満すれば浅い睡眠に移行し、目が覚めて排尿するのですが、夜尿症の子では浅い睡眠に移行するが完全に目が覚めず排尿してしまう場合や、深い睡眠のままや尿をする場合があります。また、膀胱に尿がたまると膀胱が勝手に収縮してしまう(無抑制性膀胱)ある種の膀胱機能障害を原因とすることもありこの場合も深い睡眠のまま夜尿をしてしまいます。各々の病型は約6:1:3といわれています。夜尿症の原因として覚醒障害は重要な位置を占めています。
  4. 泌尿器科的な異常
     時に膀胱尿管逆流症や尿道狭窄が存在することがあります。
  5. 家族性
     両親のいずれにも夜尿症の既往があれば11.3倍、夜尿症になりやすいとの報告もあります。

夜尿症を治すためにはまず生活習慣の改善が必要です。

  1. 夜に起こしていませんか?夜間の強制的な覚醒は睡眠を妨げ、抗利尿ホルモンの分泌を減らし夜間の多尿を持続させることとなります。起こさず、おこらず(おねしょをしからない、うまくいったときはほめる)は夜尿症治療の基本です。
  2. 水分量は減らしていますか?原則として夕食以降は水分の摂取はやめましょう(その代わり朝食・昼食時には水分を十分に取りましょう)。夕食時のみそ汁等の汁物もやめましょう。また、夕食時の果物の摂取もやめましょう(朝に果物を食べましょう)。どうしてものどが渇くという場合は氷をひとかけらなめるのにとどめておきましょう。また、夕食時の水分(ご飯も60%以上は水です)が吸収されて尿になるまで3時間はかかるので、夕食を早めにして寝るまでの時間を3時間はあけましょう。これらは夜尿症治療の基本です。
  3. うす味にしていますか?食事(特に夕食)を薄味にしましょう。塩分や刺激物の多い食事はのどが渇くもとです。また、とりすぎた食塩(ナトリウム)は尿から排泄されるのですが、それを排泄するために尿量が多くなり夜間多尿になります。
  4. 膀胱訓練をしましょう。膀胱容量を大きくするため尿意を我慢して排尿を我慢しましょう。できれば、日に1度、できるだけ尿を我慢して後、計量コップに排尿して量を計りノートに記載します。そしてその日の夜尿の有無を記載することも有効かもしれません。
  5. ほめる(夜尿がなかった朝はたくさんほめる)・(他の子と)比べない・起こさない・おこらない・あせらない、ことも両親や祖父母のかたの重要な姿勢です。

上記の生活習慣の改善をしばらく行って改善がない場合は

  1. 薬物治療としては、抗利尿ホルモン剤の内服があります。この薬剤は尿量を減らす作用があり、夜間多尿のタイプの夜尿症に、より効果的です。注意点としては、内服前2~3時間から翌朝までの水分量を制限する必要があります(概ね200ml)
  2. もう一つの方法として夜尿アラーム療法があります。夜尿アラームは,夜尿の水分を感知して警報(光や音、振動)で夜尿がおこったことを知らせる装置で、シート状のアラームでベッドの上に敷くタイプのものと下着や体に直接装着するタイプのものがありますが、後者の方が寝相等には左右されにくいようです。夜尿直後に警報で目を覚まさせるのですが(実際には家族が起こすことが必要なので家族の協力が必要です)、尿意で起きることを目的とするのではなく、夜尿をしたときに目が覚めることによって、睡眠中の尿保持力が増大し,尿意で目が覚めることなく朝までもつようになります。夜尿アラーム療法の作用機序は,睡眠中の膀胱容量(尿の保持力)を増加させることではないかと推測されていて、膀胱容量の少ないタイプの夜尿症に、より効果的です。

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最終更新日:2017.05.22

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