夜間頻尿について

夜間頻尿について

夜間頻尿について

就寝中に、排尿のために1回以上おきてはいませんか。

 夜間頻尿とは、就寝中に排尿のために1回以上起きなければならないという訴えであり、就寝中の排尿回数が2回以上になると生活の質(QOL)が低下するため、治療の対象となることが多いようです。日本排尿機能学会が2003年に報告した40歳以上の排尿症状に関する調査では,夜間頻尿(1回以上:3回以上)の頻度は各々62.9%:13.5%でした。

夜間頻尿の原因は1)多尿・夜間多尿、2)膀胱畜尿障害、3)睡眠障害、4)加齢現象、に大きく分けられます。

1) 多尿
 多尿とは1日の尿量が多い状態のことをいいます。24時間尿量(1日尿量)が40ml/Kg体重以上の場合(50Kgの人なら40ml×50Kg=2000ml(2L))を多尿と定義します。主な原因として、水分過剰摂取(心因性多飲、症候性多飲{脳腫瘍などにより口渇を感じる中枢性の障害や薬剤の副反応による口渇で多飲となる})や尿崩症(ホルモン異常等により尿の産生が多くなる)や糖尿病があります。

2)夜間多尿
 夜間多尿とは夜間就寝中の尿量が多い状態のことをいいます。24時間(1日)尿量のうち夜間就寝中の尿量が高齢者では33%以上、若年者では20%以上の時、夜間多尿と定義します。主な原因として、水分過剰摂取や薬剤の副反応やアルコール・カフェイン摂取や高血圧、等様々なことがあります。

3)膀胱畜尿障害
 膀胱畜尿障害とは、膀胱に十分に尿をためられない状態をいいます。主な原因として、前立腺肥大症(前立腺肥大症による膀胱の機能障害のため膀胱容量の減少をきたすためや、残尿量の増加のために夜間頻尿が起こる)、過活動膀胱(突然に起こる我慢しがたい強い尿意を尿意切迫感といいますが、この尿意切迫感を主訴とする病態)、間質性膀胱炎(頻尿・尿意亢進・尿意切迫感・膀胱痛などの症状を呈する疾患)があります。

4)睡眠障害
 年齢を重ねるとともに、特に高齢者では、夜間頻尿の頻度は増加し、不眠をきたし(特に就寝中の排尿回数が3回以上の場合)、生活の質(QOL)を低下させますが、一方、高齢者では睡眠が浅く、分断されるため、覚醒しやすく、夜間頻尿になってしまいます。このように、不眠があるから夜間頻尿になるのか、あるいは夜間頻尿があるから不眠になるのか明確ではありませんが、悪循環をきたしているのは間違いないところです。

夜間頻尿の診断として
 まず、症状の詳細な評価とともに、現在他の病気があるか、それに対しての内服薬の確認、水分やアルコールの摂取状態等の評価が大切です。症状や排尿状態の把握には次のような排尿日誌の記録(下記の記載例以外に尿失禁があればその状況の記載も有用)が非常に有用であり、最低3日間は行うことが必要です。排尿日誌によって頻尿の状態や多尿・夜間多尿があるのかどうか判断しそしておおむね夜間頻尿の原因が推定でき、その後各種原因に応じた診療及び必要なら専門的検査を行います。

夜間頻尿の治療はその原因によって異なります。
1)多尿・夜間多尿に対しては、まず適切な飲水量を守ることが必要です。一般的には24時間(1日)の尿量が20〜25ml/Kg体重(50Kgの人なら20〜25ml×50Kg=1000〜1250ml)になるような飲水量が適切であると思われます。脱水による脳梗塞の発症または悪化の危険性が心配されていますが、特に高齢者においては、確かに脱水が脳梗塞の発症因子であることは報告されていますが、24時間(1日)の尿量が20ml/Kg体重(50Kgの人なら20ml×50Kg=1000ml)以上あれば脱水の危険性は少ないと考えられ、また、過度の飲水がいわゆる“血液をさらさらにする”効果により脳梗塞の予防になっているとの証拠は今のところありません。薬剤による治療は抗利尿ホルモンや利尿剤投与あるいは高血圧治療等があります。
2)膀胱畜尿障害に対しては、過活動膀胱が原因の場合は過活動膀胱への内服治療(抗コリン剤)や膀胱訓練(尿意を我慢し膀胱容量を大きくする)が効果的です。前立腺肥大症が原因の場合は前立腺肥大症への内服治療やそれが効果がない場合は前立腺肥大症への手術も考慮すべきかもしれません。
3)睡眠障害が原因の場合は、まず自分の生活パターンを把握し睡眠を妨げていることがないか(例えば、運動不足や長時間の昼寝等)チェックしそれがあれば改善します。薬剤による治療は、不眠のタイプが、入眠障害・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害のどれかを把握した後、それにあった睡眠薬を使用します。

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最終更新日:2018.05.10

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